“ロレックスはオーバーホールが必要”という認識をお持ちの方は多いと思いますが、「何のために、どんなことをするのか」までご存知の方は少ないと思います。 また、ロレックスに限らず機械式時計は、オーバーホールを行う必要があります。
そこで、オーバーホールについてもっと理解を深めてもらうためにも、ロレックス専門修理会社クラウンマイスターズの職人さんに実際に行っているオーバーホールについて、詳しく解説してもらいます。
ロレックス専門店
クォークに入社したばかりの新人スタッフ
お客様のどんな質問にも対応できるよう
ロレックスについて猛勉強中。
ロレックス専門修理会社
クラウンマイスターズのベテラン技術者
現行からヴィンテージまでロレックスのムーブメントを熟知したメンテナンスのプロ。
お客様から「オーバーホールって何?」、「どんなことするの?」という質問を受けるのですが、ロレックスのオーバーホールについて詳しく教えてもらえませんか?
分かりました!
まず、オーバーホールとは、新品時のような外観やロレックス本来の性能を取り戻すために行うメンテナンスです。
人間でいえば定期健診、自動車でいえば車検のようなものですね。
続いて、実際のオーバーホールでどんなことを行っているか説明します。
まず、時計からブレスレットを外し、ケースからムーブメントを取り出します。その後、ケースとムーブメントを完全に分解します。
次に分解した各パーツを入念にチェックしながら手作業で下洗いします。その後、専用の溶剤で超音波洗浄を行います。
下洗い時の綿密なチェックで、交換が必要と判断されたパーツを交換します。交換パーツは、新品のロレックス純正部品を使用します。
パーツを交換する際、ロレックスの純正部品が使用されないと改造品扱いになってしまいますので注意してください。
各パーツの摩擦や摩耗を最小限に抑えるため、粘度の異なる複数の潤滑油を塗布しながらムーブメントを組み上げていきます。
組み上がったムーブメントは、一度テスターで精度確認を行います。規定の精度が出るまで調整と確認を繰り返します。
ケースやブレスレットといった外装部品に研磨仕上げを施します。日常使用でついてしまった傷を取り除き、美しい外観を取り戻すことができます。
過度な研磨はケース痩せの原因になり、ロレックスの機能や価値を下げてしまう可能性がありますので頻繁に行わないことをお勧めします。
組み立てたケースが規定の水圧に耐えられるかどうか防水検査を行います。クラウンマイスターズでは、空気圧テストに加え、より厳密な水圧テストも行います。
精度確認を終えたムーブメントに文字盤や針を取り付け、研磨・防水検査をパスしたケースに収めます。
ロレックスを着用した状態を想定してゼンマイの巻き上げや精度などを約1週間かけて確認します。
時計に問題がなければ、これでオーバーホールは完了です!
ありがとうございました!
これでお客様にもしっかりご説明できます。
オーバーホールを行うことで快適なロレックスライフを送ることができます!