オーバーホールの頻度

確かな耐久性を誇るロレックスは、文字通り壊れにくい時計です。そのため、オーバーホールを疎かにしても、特に問題ないかのように動き続けるということもあります。
しかし、「動いているから大丈夫」と思っている間にも、ロレックスの内部ではトラブルの種が芽を出そうとしているかもしれません。

一見して判断できない様々な不具合は、定期的なオーバーホールでしか防ぐことができないのです。
そこで今回は、ロレックス専門修理会社クラウンマイスターズの職人さんにオーバーホールの頻度について聞いてみました。




P R O F I L E

新人くん

ロレックス専門店
クォークに入社したばかりの新人スタッフ

お客様のどんな質問にも対応できるよう
ロレックスについて猛勉強中。

ロレックス専門修理会社
クラウンマイスターズのベテラン技術者

現行からヴィンテージまでロレックスのムーブメントを熟知したメンテナンスのプロ。

職人さん


新人くん

オーバーホールを行う必要性については理解できたのですが、オーバーホールを行う頻度について、いまいちイメージがわきません。どのくらいのペースが適切なのでしょう?

使用環境によって多少の差もありますが、だいたい4~5年に一度の周期でのオーバーホールを推奨しています。

職人さん

また、リューズが巻きにくいですとか、時計の進みが早いなど、何かしらの不具合が生じた場合もオーバーホールの時期とお考えください。

職人さん
新人くん

そうなんですね。あまり使っていない時計の場合も、4~5年に一度はオーバーホールに出した方がいいのでしょうか?

そうですね、使用頻度に関わらず、オーバーホールは定期的に行っていただいた方がいいです。

職人さん

理由は、潤滑オイルやパッキンの寿命が4~5年だからです。
劣化した物を定期的に交換するということが、後々のトラブルを防ぐ一つの鍵となります。

職人さん

定期オーバーホール実例

定期オーバーホールによってどういったトラブルが防げるか、その一例をご紹介いたします。


お持ち込み頂いたのはヨットマスター・ボーイズモデル。
事前の精度チェックでは大きな問題もなく、時間の遅れや進みといった症状もなかったため、普段使いで違和感を覚えることがなかったようです。


しかし、時計を分解してみると、以下のような状態がみられました。

回転ベゼルの下には埃や汚れがびっしりと溜まっており、ベゼルの動作不良を引き起こす寸前でした。
また、この汚れを放置すると錆や腐食の原因になります。場合によっては防水不良を引き起こし、内部パーツだけでなく、ケースの交換まで必要となってしまうこともあります。





新人くん

「オーバーホールの必要性」の実例3 のようになってしまうということですね!

そういうことです。このタイミングで汚れをきれいに落とし、パッキンを新しく交換するなど必要な対処をしたことで、後々の故障を未然に防ぐことができました。

職人さん
新人くん

一見なんの問題もなさそうな時計でも、故障の要因になりえる要素がつまっていたりするのですね!

そういった不安の種も、定期オーバーホールによって摘むことができるというわけです。

職人さん

オーバーホールは費用がかかりますが、大きなトラブルが起こってしまうとより費用がかさんでしまいます。
末永くロレックスを愛用したい方は、定期オーバーホールを視野に入れてみてはいかがでしょうか。

職人さん

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ロレックス・オーバーホール入門