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デイデイト Ref.1803/9 チューブパッキン交換
デイデイトのチューブパッキン交換をご紹介します。
・リファレンス:Ref.1803/9
・年式:-
・症状:パッキンの劣化
ロレックスは、ねじ込み式のリューズと裏ブタを採用することで高い防水性を誇るオイスターケースを実現しました。
チューブとは、ケースとリューズをつなぐネジ山が切られているパーツです。チューブとリューズには、それぞれパッキンが装備されており、この2重のパッキンで防塵・防水性を確保しています。パッキンは非常に柔軟性の高い素材で作られており、ねじ込んだり、押し潰すことでパーツ間の気密性を高めていますが、素材の性質上必ず劣化します。タイミングは使用環境などによって異なりますが、押し潰された状態で硬化してしまいます。
今回は、交換時期を過ぎたチューブパッキンをご紹介します。
リューズを抜いたケースの写真です。
ネジ山が切られている部分がチューブになります。本来、装備されているはずのパッキンがありません。
チューブ部分を拡大した写真です。
パッキンが著しく劣化しており、すでに原形を留めておりません。この状態では防水性を確保することはできません。
劣化したパッキンを除去しました。
柔軟性を失い、ボロボロになっています。
新品のパッキンです。
チューブ内のパッキンには、2つのサイズがあります。
新品のパッキンをチューブ内にセットした写真です。
他にも各所のパッキン交換と風防交換をして、防水性を取り戻しました。
防水性が低下すると、水はもちろん、湿気も時計内部に侵入してしまいます。それらはムーブメントのサビ、ダイヤルや針の劣化の原因になります。
定期的なメンテナンスを行い、消耗部品を交換することで未然に防ぐことができます。
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