ロレックス・オーバーホール入門 > オーバーホール実績 > GMTマスターII Ref.116710LN オーバーホール その2
GMTマスターII Ref.116710LN オーバーホール その2
GMTマスターII のオーバーホールをご紹介します。
・リファレンス:Ref.116710LN
・年式:ランダム品番(2012年製)
・症状:-
2005年からGMTマスターII に搭載されたCal.3186には、ブルーのヒゲゼンマイが採用されています。
これはロレックスが開発・特許取得したパラクロム・ヒゲゼンマイで、ニオブ、ジルコニウム、ハフニウムの合金になります。耐磁性や温度変化に優れ、従来のものと比較して約10倍もの耐衝撃性を備えています。また、美しいブルーは酸化のプロセスによって生じるもので、耐久性も向上しています。
実際にブルーパラクロム・ヒゲゼンマイ搭載ムーブメントでは、外部からの衝撃によるヒゲの変形がほとんど見受けられませんので、非常に優れた耐衝撃性を実感します。
ロレックスが独自に開発したブルーパラクロム・ヒゲゼンマイです。
正常な状態のヒゲゼンマイ。
向かって右側に寄ったヒゲゼンマイ。
従来の約10倍の耐衝撃性を備えているとはいえ、精密部品になりますので、耐性を超える衝撃が加われば変形してしまうこともあります。
従来のヒゲゼンマイと比べて衝撃には強くなっていますが、変形させてしまうと修理が難しく、溶接部分を破損させてしまう恐れもあります。
新技術の投入などによって基本性能は向上していますが、機械式時計は精密機械になりますので着用の際は十分ご注意ください。
« オーバーホール実績