エクスプローラーI Ref.14270 クリスタルパッキン不良


エクスプローラーI のクリスタルパッキン不良についてご紹介します。
・リファレンス:Ref.14270
・年式:T品番(1996年製)
・症状:クリスタルパッキン不良
時計の高い防水性能を維持するためには、定期的なオーバーホールによるパッキンの交換が必須となります。
ロレックスでは、クリスタルのパッキンに、シリコン素材が採用されています。これは耐油性や耐薬品性、耐オゾン性に加え、幅広い温度領域での使用を可能とし、柔軟性にも優れた素材です。しかし、その性能は永久的に保証されるものではありません。
今回は、酷く劣化したクリスタルパッキンをご紹介いたします。



20年以上前に製造されたエクスプローラーI Ref.14270です。これまでのメンテナンス履歴が確認できるものがなく、内部の状態は不明です。


斜め上から覗き込むと、クリスタルとケースの間に劣化したパッキンが確認できます。パッキンの劣化が進行すると、このように目視で確認できます。


写真2をさらに拡大した写真です。
もちろん、防水性能については著しく低下しています。


こちらはパッキンの写真です。
左側は新品のパッキンで、右側が今回取り外したパッキンです。
比べると一目瞭然ですが、劣化による硬化やヒビ、黄ばみが確認できます。


新品のパッキンと交換しました。
写真2や3と同様に斜め上から覗き込んでも、しっかり密閉されていることが分かります。


劣化により柔軟性が失われ、脆くなっているのがわかると思います。
少し力を加えただけで、簡単に割れてしまいました。

今回ご紹介したパッキンがどのくらいの期間で使用されていたのかは不明ですが、使用環境によっては、5年未満でも劣化により防水不良を起こしてしまいます。
外装や内部ムーブメントの状態だけでなく、パッキンなどの防水性能に関わる部分にも気をつける必要があります。そのためにも定期的なメンテナンスを行っていただくことをオススメいたします。



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