ハックレバー破損


今回は、突然止まってしまったムーブメントの症状と原因についてご紹介します。
・リファレンス:Cal.3035
・年式:-
・症状:不動
今回の症状につきまして、不動となった原因としては様々なケースが予想できます。
原因を特定するために、まずはムーブメントをチェックしていきます。
これまでの修理歴は不明でしたが、ムーブメントの状態としては悪くなく、不動の原因と考えられたゼンマイも切れていませんでした。さらに分解を進めていくと、テンプにハックレバーが効いた状態のままになっていることがわかりました。これは、ハックレバーまたは、オシドリに問題が発生している可能性がありそうです。



金色のパーツがハックレバーになります。注視して確認しますと、破損していました。


ムーブメント“Cal.3035”のハックレバー写真です。
上が正常なパーツとなりまして、下が今回破損していたパーツです。


時刻合わせの際、リューズを引く動作に合わせてスライドすることで、先端が天輪を押し付け、ムーブメントの動きを止めます。
こちらはムーブメントの動きを止める前の写真です。


ハック機能が働き、ムーブメントの動きを止めている写真です。

剣回しをする際に、オシドリがハックレバーをスライドさせて、テンプに押し付けることで時計を止めます。しかし、引き戻す際に何らかの理由により、ハックレバーが破損してしまい、時計が止まったままの状態になってしまったようです。
Cal.3035は生産が終了して30年以上が経過するムーブメントですが、ヴィンテージ品のみならず、現行ムーブメントでも使用方法に問題がなくとも不具合は起きてしまいます。定期的なメンテナンスによって、不具合を未然に防ぐことができます。



あなたのロレックスのオーバーホール料金はいくら? オーバーホール料金をCheck!


« オーバーホール実績