ロレックス・オーバーホール入門 > オーバーホール実績 > サビによる防水不良
サビによる防水不良
今回は、エクスプローラーIのサビの発生例をご紹介します。
・リファレンス:Ref.114270
・年式:M品番(2008年製)
・症状:サビ・防水不良
残暑の厳しい日が続いておりますが、朝夕は少しずつ過ごしやすくなってきました。
コロナウイルスの影響により今年の夏は特別となりますが、この季節になると水辺のレジャーが原因か、時計ケース内に水が入ってしまい、サビが発生してしまうロレックスの修理がとても多くなります。
エクスプローラーI(Ref.114270)の写真です。
リューズ側からの写真です。
ベゼルとケースの隙間にサビが確認できます。
ブレスレットを取り外した写真です。
こちらもベゼルとケースの隙間からサビが発生していることが分かります。
なんと、クリスタルの内側にもサビが出ていました。
ベゼルやムーブメントを取り外し、ケースを確認したところ、広い範囲に大量のサビが発生していました。
ベゼルの内側にも大量のサビが発生しています。
丁寧にサビを落としたケースの写真です。
細部を確認すると、発生したサビによる腐食が進んでいました。
サビはキレイに落ちましたが、ベゼルも腐食が進行していました。
このままでは防水性が保てませんので、ベゼルとケースの交換が必要となります。
ロレックスでは、一般的な時計に使用されるステンレスではなく、腐食に強い904Lスチールを採用しています。
しかし、それでもサビを完全に防ぐことは出来ません。一番大切なのは、適切な使用方法とメンテナンスです。修理業者に出すオーバーホールだけではなく、水辺での使用後には軽く拭いたり、時計の遅れや進み、外観上に異常が無いかを日々チェックすることも重要です。それにより時計に異常が発生した際、いち早く気づくことができ、適切な対応が出来るのです。
今回のケースでも、異常にいち早く気づくことができれば、ベゼルとケースの交換に至らず、高額な修理費用は防げたかもしれません。
今後のご使用に生かし、適切なお手入れやメンテナンスを心掛けましょう。
« オーバーホール実績