進みの原因

今回は、著しく進みの症状が出てしまうCal.3135をご紹介します。

著しく進んでしまう原因として、精度を保つ役割を果たす車輪状の形状をした“テンプ”の振り角が大きくなり、振り石がアンクルの外側に接触してしまう“振りあたり”と呼ばれる症状がとても多いのですが、今回はどうでしょう。

よくある“振りあたり”とは違う異常を感じテンプを調べてみると、内側に取り付けられているはずの“マイクロステラナット”がネジ部分ごと無くなっていました。

進みの原因はマイクロステラナットがネジ部ごと外れてしまい、片側が軽くなりバランスが崩れてしまったことが原因でした。

テンプは交換しますが、外れているマイクロステラナットをそのままには出来ませんので、ムーブメントを分解し回収しました。

今回のマイクロステラナットの落下は非常に稀な例ですが、機械式時計である以上、どんなに大切に使用していても不測の事態は起こり得るものです。少しでも早くメンテナンスを行っていただくことが重要ですので、日頃と異なる違和感がある際はお気軽に最寄りのクォーク店舗までご相談ください。