今回は、ヴィンテージロレックスのメンテナンスについてご紹介します。
・リファレンス:Ref.5500、Ref.16014
・年式:-
・症状:オーバーホール
季節の変わり目にはオーバーホールなどの定期メンテナンスを希望される時計が多く持ち込まれます。その中には希少なアンティークモデルも多く、珍しい症例を目にする機会もあります。
こちらは、Ref.5500の時計です。
前回のメンテナンスは海外業者により行われたことが確認できました。しかし、なぜかチューブパッキンが交換されておらず、チューブパッキンは石のように硬化していました。これでは防水性が期待できません。
こちらは、Ref.16014の時計です。
ケースやベゼルに大きなキズは無く、一見程度の良さそうな個体ですが…
こちらもチューブパッキンは完全に硬化しており、交換が必要な状態となっていました。
ベゼルを外してみると、やはりサビがびっしりと発生しています。
防水性能を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
リューズを取り外すと、チューブは腐食が進んでいました。ネジ溝が腐食したことでリューズとの嚙み合わせも悪くなっています。こちらは再利用が出来ず、交換になります。
使用していない期間が長かったためか、オイルは完全に切れていました。しかし、幸いなことに摩耗は確認できませんでした。
メンテナンスが長く行われていないヴィンテージロレックスのほとんどはサビが発生しています。過去にはバックケースが固着してしまい開けることができなかった事例もあります。
ヴィンテージロレックスはダイヤルや針などの外見だけでなく、内部の状態も価値を決定付ける非常に重要なポイントです。ヴィンテージロレックスだけに限りませんが、時計の価値を損ねないためにも定期的なメンテナンスを心掛けましょう。
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