オーバーホールの必要性

デイトナ Ref.116520
オシドリ不良


デイトナ搭載ムーブメントCal.4130のオシドリ不良をご紹介します。

・リファレンス:Ref.116520
・年式:-
・症状:オシドリ不良
多くのロレックスの修理を行っていると、ムーブメントごとに不具合の出やすいパーツが絞られてきます。
2000年に登場したデイトナ(Ref.116520)に搭載されているCal.4130は、先代(Ref.16520)に採用されていたCal.4030と比較しても、非常に安定性とメンテナンス性に優れています。
完成度の高いCal.4130ですが、“オシドリ”というパーツの不良が出やすくなっています。


[ オシドリの不具合1 ]
写真は、巻真を抜く際に押すオシドリピンというパーツです。
通常は、写真のようにきれいに収まっています。

オシドリピンが緩んだ状態の写真です。
このようにピンが飛び出しています

正常な状態と緩んだ状態のパーツを真横から見た写真です。
左側がオシドリピンの緩んだ状態のものです。

[ オシドリの不具合2 ]
規制レバーのピン折れの写真です。
先端部分が折れてしまっています。

写真は、正常なピンがムーブメントにセットされている状態です。

金色のパーツが規制レバーになります。
規制レバーの働きは、リューズを引いて時刻合わせを行う際、スライドしてテンプの動きを止めることです。

写真は、規制レバーがテンプの動きを止めている状態です。
テンプの動きを解除する際に規制レバーのピンが折れてしまうと、規制レバーがテンプを止めたままの状態になってしまいます。
また、折れた先端部分が他のパーツに悪影響を及ぼすため見つける必要があります。

[ オシドリの不具合3 ]
オシドリピンの抜けと規制レバーのピン折れが併発した状態です。
オシドリピンが完全に抜けてしまっており、リューズを引いても正常な動きができなくなっています。

リューズを操作している際に異変を感じた場合、上記のような不具合が発生している可能性があります。
各パーツが正常に収まっていなかったり、破損している場合は、他のパーツにも影響を及ぼしますので、ご使用を控えてください。



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