シードゥエラー Ref.16600
オーバーホール
シードゥエラー Ref.16600 オーバーホールをご紹介します。
・リファレンス:Ref.16600
・年式:2003年製
・症状:防水不良
プロ仕様のダイバーズモデル「シードゥエラー」のオーバーホールをご紹介します。
高い防水性能を誇るシードゥエラーですが、購入から約15年間メンテナンスを受けていなかったため、防水不良を起こしていました。
写真はチューブのパッキンになります。
各部のパッキンは、経年によって硬化、変形しています。
空気加圧式の防水試験機によって検査を行ったところ、防水不良を起こしていることが分かりました。
写真はベゼルを外したミドルケースです。
使用期間を踏まえると汚れは少ない状態ですが、全体的に白い粉のようなものがうっすらと付着しています。恐らくベゼルとケースに隙間に入った海水が、そのまま乾燥した跡だと考えられます。
水没式の防水検査を行ったところ、リューズ周りから気泡が発生しました。これによって、防水不良を起こしている部位を特定できました。
チューブのパッキンは、あっけなく切れてしまうほど硬化が進んでいました。
チューブのパッキンを新品に交換しました。
再度、水没検査を行うと、ヘリウム排出バルブも防水不良を起こしていることが分かりました。
ヘリウム排出バルブはパーツ一式の交換になります。
今回オーバーホールを行ったRef.16600は、防水不良を起こしていましたが、幸い時計内部にサビなどはなく、特別な交換部品も必要ありませんでした。しかし、タイミングが悪ければ、ムーブメント全体にサビが発生する場合もあります。
使用頻度が少なく、ムーブメントに異常がなくても、各部のパッキンの劣化は進行しています。スペック通りの防水性を保ち、安心してご使用いただくためにも、定期的なメンテナンスをおすすめします。
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