オーバーホールの必要性

シードゥエラー Ref.16600
オーバーホール


シードゥエラーのオーバーホールをご紹介します。

・リファレンス:Ref.16600
・年式:F品番(2004年製)
・症状:止まり
新品で購入したのち、今年(2020年)までノーメンテナンス状態だったシードゥエラーのオーバーホールをご紹介いたします。
メンテナンスに持ち込まれたシードゥエラーは、ゼンマイを巻いても、軽く振っても動かない、止まりの症状でした。内部確認のため裏蓋を開けたところ、大量の鉄粉がケース全体に生じておりました。


裏蓋を開け、内部を確認した写真です。
全体的に確認できる黒い粉が鉄粉です。

裏蓋にも鉄粉が付着しています。
このような大量に生じた鉄粉が見られるケースは、ローター真のオイル切れによる典型的な症状です。

オイル切れや劣化により、ローター真が擦れて摩耗し、ローターの回転が不安定になります。その結果、各受けに接触してしまい、鉄粉が発生します。

ムーブメントから取り外したローターの写真です。
裏側にも大量の鉄粉が付着していました。

止まり症状の直接の原因は、写真中央の角穴車のネジが折れてしまい、破損した破片が歯車に引っかかったためでした。

摩耗して削れてしまったローター真の写真です。
摩耗により段差が出来ており、摩耗の進行具合がよく分かると思います。
ローター真が摩耗した分、ローター自体が大きくガタついてしまいます。

約16年間メンテナンスされていないこともあり、ムーブメントの状態は悪く、摩耗やダメージが進行していました。
また、特に3100番台のムーブメントは定期的なメンテナンスを怠ると、ローター真のオイル切れを生じることが多く、交換部品が多く発生し、修理代金が高額になるケースが多々あります。
また、ローターの回転が安定しないため、周辺のパーツにキズをつけてしまいます。
長く良好な状態を維持するためにも、定期的なメンテナンスをオススメいたします。




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