オーバーホールの必要性

デイトナ Ref.16520
オーバーホール


デイトナのオーバーホールをご紹介します。

・リファレンス:Ref.16520
・年式:X品番(1991年製)
・症状:リューズ不良
今回は、リューズ動作不良のデイトナ(Cal.4030)のオーバーホールをご紹介します。
手巻きによるゼンマイの巻き上げができない状態でした。
できればオーバーホールではなく、部分的な修理での対応を行いたかったのですが、専用の工具にて裏蓋を開けたところ、内部に大量のサビが発生していましたので、オーバーホールが必須の状態でした。
それでは内部確認を行い、原因を探しましょう。



ムーブメント全体にサビが生じており、一見して部分的な修理では済まないことがわかります。

香箱周辺の拡大写真です。このようなサビが全体に見られます。

裏まわりにも大量のサビが生じています。

それではパーツを分解し、細かく見ていきましょう。

人工ルビー製のテンプの受け石はオイルが切れており、天真の跡が摩耗によりすり減っていました。

アンクルのツメ石にもサビの付着が確認できます。

こちらはガンギ車の写真です。

こちらは3番車の写真です。

こちらも3番車です。
両端ともに、サビが確認できます。

輪列受の丸穴車の写真です。

大量に発生したサビの原因はこちらの部品のようです。

サビによって動きの悪くなった丸穴車を強引に回そうとしたため、ツヅミ車の歯が変形し、動作不良へ繋がっておりました。

交換した新品のツヅミ車と比べてみると、違いは歴然です。

使えるものは可能な限り磨いて再利用をしていますが、再利用が出来ないものは新品へ交換となります。交換点数が増えれば、修理料金も高額になってしまいます。
不具合が出る前に定期的なメンテナンスを行うことで、ムーブメントの状態も良好に保たれ、修理代を抑えることに繋がります。



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