オーバーホールの必要性

オイスターパーペチュアル26
Ref.176200 オーバーホール


オイスターパーペチュアル26のオーバーホールをご紹介します。

・リファレンス:Ref.176200
・年式:-
・症状:リューズ不具合
レディース オイスターパーペチュアル(Cal.2231)のオーバーホールの際、少し不思議な現象がありましたので、ご紹介します。
症状は、リューズを引いて秒針を止める操作の際に生じる“カチッ”という感触がなくなっていました。
症状から察するに、Cal.2231では比較的起こりやすい“オシドリ”または“裏押え”の不良と考えられましたが、実際にバックケースを開けて確認したところ、非常に珍しい不具合が生じておりました。



ローターに擦り傷が見られます。何かが干渉したようです。

破損や接触に気をつけてローターを慎重にずらすと、破損した裏押えの一部がでてきました。
不具合の原因となった部品は予想通りでしたが、問題は破損した部分が出てきた場所です。

こちらが裏押えの写真です。
先端が何らかの理由により折れていました。

裏押えはムーブメントのダイヤル側にあるのですが、折れた先端は地板を挟んだ反対側、つまりローター側に移動していました。

アンクルのツメ石部分に、破損部品が通れそうな穴がありますが、そこには他にもいろいろな部品があり、通り抜けることができるとは想像できませんでした。
破損した部品によって他の箇所を傷つけてしまいメンテナンス箇所が多くなってしまうという症例も多くありますので、不具合が生じた際は、時計を動かさず、なるべく早くメンテナンスへ出していただくことが重要です。



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