オーバーホールの必要性

サビ


今回は、ムーブメントのサビについてご紹介します。

・リファレンス:Ref.16750
・年式:-
・症状:サビ
GMTマスターI/Ref.16750のムーブメントに発生した大量のサビについてご紹介します。
パワーリザーブの持ちが悪く、ゼンマイの巻き上げ操作が困難なほどリューズが重くなっていました。内部確認のために裏蓋を開けると、ムーブメント全体に大量のサビが広がっている状態でした。



ムーブメント全体にサビが広がっていましたので、原因を探す必要があります。
まずは、自動巻き機構を外してみます。

大量のサビが集中して付着しているのが確認できます。
原因は、外した自動巻き機構側にありそうです。

片側のリバーシングホイールに、極端な真の摩耗が発生していました。

こちらは正常な状態のリバーシングホイールです。

中心の穴に注目すると、オイル切れによる極度の摩耗により、真との隙間が広がっています。そのため、リバーシングホイールが正常に動作せず、ローターの動きを妨げてしまい、主ゼンマイの巻き上げができない状態でした。
また、オイル切れによるものか、広がったサビの影響によるものか不明ですが、テンプの動きも著しく弱くなっていました。

このように、異常な摩耗が確認できる個体の共通点は、メンテナンス不足によるものがほとんどです。今回のロレックスに関しては、確認できる最後のメンテナンス記録は、なんと12年も前でした。
機械の精度はもちろん、防水性能の確保もありますので、定期的なメンテナンスは絶対に必要です。使用環境にもよりますが、4~5年を目途にメンテナンスを行っていただくことをオススメします。



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