ハックレバーの破
今回は、リューズの破損についてご紹介します。
・リファレンス:Ref.179174G
・年式:M品番(2008年製)
・症状:ハックレバーの破損
ハックレバーとは、時刻を合わせる際に時計の秒針を止めるための部品です。
Cal.2235は、カレンダー付のムーブメントのため、時刻を合わせる際にリューズを二段引くことでハックレバーが作動し、剣回しができるようになります。
※リューズを一段引くことでカレンダーの調整が行えます。
しかし、今回ご紹介するロレックスは、一段引いた状態でハックレバーが作動してしまう症状でした。
写真中央のテンプ脇に見える小さな爪のような部品がハックレバーです。
リューズを引くことで天輪に近づき、二段引いたところで天輪の下に潜り込むようにして天輪の動きを強制的に止めます。
動作不良の原因となったハックレバーです。先端が変形して曲がっています。
このため、リューズを一段引いた状態でも、曲がった先端が天輪と触れてしまい、テンプの動きを妨げている状態でした。
変形して曲がってしまったハックレバー(写真奥)を、正常なハックレバー(写真手前)と比較した写真です。
通常の使い方で変形して曲がることは考えられませんので、誤った使用や過度な力が加わった可能性も考えられます。
非常に薄い部品になりますので、無理に修復せずに正常な部品へ交換になります。
ハックレバーが正常に機能すると、秒単位の調整も容易に行えて便利です。
今回のハックレバー破損の原因は不明ですが、操作中にいつもと異なる違和感があった際は、無理に操作を続けずに一度リューズを戻してください。操作をやり直すことで、破損や不具合を防ぐことができます。また、リューズの違和感が頻発するようでしたら、お近くのクォーク店舗までご相談ください。
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