オーバーホールの必要性

ムーブメント Cal.3135 オーバーホール


今回は、Cal.3135ムーブメントのオーバーホールをご紹介します。

・リファレンス:Cal.3135
・年式:-
・症状:オーバーホール
今回ご紹介するのは、15年以上ノーメンテナンスのCal.3135ムーブメントです。
リューズ操作ができないということで、オーバーホールの実施に至りました。



裏蓋を開けると、金属の粉がムーブメント全体に広がっていました。

裏蓋にも金属粉が付着しています。

オートマチック機構を取り外した写真です。4番車のホゾが金属粉で埋まっています。

オートマチック機構の裏側には、角穴車に沿った黒い金属粉の跡が付着しています。
ローター真もオイルが切れて摩耗が進んでいるようですが、巻上が出来ない直接の原因ではないため、ひとまず様子を見ます。

手巻きによるゼンマイの巻上は、“リューズ(巻真)→ツヅミ車→キチ車→丸穴車→中間車→切替車→角穴車→香箱真→ゼンマイ”の順に力が伝わりますので、どこに問題があるのか探していきます。

キチ車の歯が欠けているのを確認しました。
ゼンマイまでスムーズに力が伝わっていないのに、過剰な力をかけてしまったことが原因と考えられます。

丸穴車も動きはスムーズでしたが、キチ車の歯同様、過剰な力が加わったことで一部歯が潰れていました。

切替車がオイル切れにより固着していました。
この歯車が回らず固着していたため、リューズからの力が堰き止められ、キチ車と丸穴車の歯が耐えられずに破損したと考えられます。

今回のメンテナンスでは、紹介しきれていない部分の交換部品も多く発生しており、高額な修理代金が発生していました。メンテナンスの時期はつい忘れがちになってしまいますが、長くお得に愛用できるよう、定期的なメンテナンスを心掛けましょう。



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