デイトナ Ref.16523 オーバーホール

今回は、デイトナのオーバーホールについてご紹介します。

ゼニス社のエル・プリメロをベースにロレックスが独自に改良を加え完成したクロノグラフ搭載ムーブメントCal.4030。この名機を搭載したデイトナは、近年大きな価格高騰が見られます。
歴史的タイムピースとなった5桁リファレンスのデイトナ。生産終了から約20年が過ぎますが、現在でもメンテナンスを行う機会の多いキャリバーです。

あまり使用されていなかったためか、目立つサビや摩耗による金属粉は見られません。

パーツからオイルが切れている様子が確認出来ました。
前回のメンテナンスからは、大きく時間が経過しているようです。

摩耗していることが多い3番車や巻上車、リバーシングホイールも交換する必要はなさそうです。

軽く磨いてサビや汚れを除去しました。交換せずに再利用が可能です。

丸穴車周辺もサビや摩耗が頻繁に見られる部分ですが、こちらも問題は無さそうです。
ゼンマイのみ新品へ交換し、洗浄と組み上げを行います。

6時側インダイヤルが逆６の“4型”に区分されるダイヤルです。
針共に夜光塗料の状態も良好です。外装は研磨を行わず、洗浄のみ実施しました。

今回のロレックスはオイルが切れていたものの、摩耗がほとんど見られなかったことから、使用せずに長期保管されていたものと思われます。もしオイルが切れた状態で使用を再開されていたら、摩耗が進み交換パーツが増えてしまうことで費用も高額になってしまったことでしょう。今後も資産価値が高まる可能性の高いロレックスですので、状態を整えるべく定期的なメンテナンスをしっかりと行っていただくことをオススメ致します。